檜風呂

 昨年末と今年4月に、両親が相次いで亡くなった。97歳と94歳の大往生だった。両親が住んでいた家をリフォームして、念願の檜風呂を作った。

 浴槽は、伊勢神宮で使用されている柾目檜材を、滋賀県の木工所へ特注した。床と壁面下1mは黒石材。他の壁面は檜材。天井は、白い珪藻土の上に、黒く月を描いてもらった。しかも、私がこの世に誕生した日の十二夜の月型で。そこに二つのライトを当て、浮き上がらせ。湯は、温泉風に檜口から出て来る工夫もした。椅子や桶、台座も勿論檜材を使用私は、徳島県の美馬市脇町と三好市に檜の山林を所有している。今回は、三好市の雲辺寺山南斜面に育成した檜材を少し利用出来て、それも満足だ。

 今は、何とも言われぬ心地良い香り漂う中で、ゆったりと、最高の檜風呂を楽しんでいる。幸せこの上なし。

                        

 2020年12月